メガネと視力について

元メガネ販売店店長がメガネと視力についての疑問にお答えします

Original photo by thinkretail

メガネのフレームを選ぶ際に知っておきたいこと

      2014/11/17

メガネは洋服と同じように直接身に着けるものです。常用する方にとっては「顔の一部」にもなるメガネ。販売店でフレーム選びのお手伝いをしていた時もなかなか決めきれずにいる方も少なくありません。メガネは使う方に合わせたレンズが取り付けられて初めてメガネとして成立します。流行りのデザインや好みで選んでももちろん構わないのですが、出来上がったメガネで「失敗しない」ようにフレーム選びで知っておくといい基本的なことをまとめました。目の状態は様々ですが今回は全ての方に当てはまるような内容です。使いやすいお気に入りのメガネを作るのにお役立て下さい。

記事内にメガネの各部名称が出てきます。下図を合わせて参照してください。詳しくご覧になりたい方は別記事のメガネフレームの各部名称の記事をご覧ください。

nomenclature_frame

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日本人の頭と顔の特徴

日本人だけ特別なわけではないですが、外国人(想像する範囲で構いません。アメリカ人や欧州辺りの方を思い浮かべてみてください。)の方と比べて日本人の頭と顔の作りには特徴があります。また普通に販売されているメガネフレーム全般と比較しても知っておくとフレーム選びを失敗することは少なくなります。

頭の横幅がある

width

通常メガネのフレームは、使う方の頭の横幅に合わせてメガネの掛け幅を調整します。一般的な調整方法としては主にフレームの「智」の部分を広げたり狭めたりして調整するのですが、フレームのデザインによっては、この掛け幅の調整が難しいものもあります。

販売されているフレーム自体が日本人の頭の横幅に対して掛け幅の少ないものが多く、ほとんどの場合、フレームの掛け幅を広げる調整をする場合が多いです。海外で生産されたブランド物のフレームは更に小ぶりのフレームが多いです。

フレームの掛け幅が狭い状態のままメガネを使用すると、側頭部に圧迫感や痛みを覚えたり、頭に押されるかたちでメガネが前に飛び出そうとしてズレ落ちの原因にもなります。また頭に押されてフレームにも継続的に常に力が加わっていますので最悪の場合フレームが破損してしまいます。ブリッジ部からパッキリと折れてしまったメガネも何度か拝見したことがありますが、掛け幅があっていない状態での使用が見受けられる場合がほとんどでした。

フレーム選びの際は必ず真正面から鏡を見るようにしてどの程度フレームが広がっているか確認してみましょう。大きく広がっている場合、調整で頭に合わせてフレームを広げることができるかどうか販売店の方にに確認してもらいましょう。

鼻の大きさ・高さ

「外人さんは鼻が高い」という既成概念があるように鼻周辺のつくりが日本人とは大きく異なります。メガネを顔や頭に合わせて調整する上で鼻のパッドの調整はもっとも重要な部分です。海外ブランドのフレームの中には日本人の鼻の形状に適さないものもあり、うまく調整できない場合もあります。フレーム選びの時点できちんと鼻のパッドが当たっている必要はないのですが、うまく当たっていない場合、調整で改善できるか販売店の方に確認してもらいましょう。

鼻梁に起伏の少ない人

nose

鼻梁(びりょう)と読みます。上部の画像の丸印のところでメガネのパッドが触れる箇所です。この鼻梁に起伏の少ない方は、調整してもメガネがずれ易くなる場合が多いです。起伏が少ないことによってメガネが顔により近づきますので鼻のパッドのないタイプのフレームなどは避けた方がいいです。パッドもずれにくい素材でできたパッドなどに交換するとズレ落ちが少なくなります。

顔・頭は歪んでいる

人間の顔や頭は歪んでいます。左右対称の方は1000人にひとりいるかいないかくらいでほとんどの方が歪んでいることになりますが、普段自覚している方は意外と少ないのではないでしょうか。また姿勢や歯並びなどの影響で歪み具合が変わってきたりするようです。メガネとの関連としましては、耳や目の高さが左右で違う場合、工業製品のメガネのフレームが顔に乗ることで気になる場合が出てきます。これもメガネの調整で対応するのですが、顔の傾きに合わせてメガネも傾かせるか、地面に対して水平になるように調整するかになるのですが、私の経験で言えば、前者の方がご自身で違和感が少なく感じる方が多いです。顔に合わせた場合、見る人によってはメガネが傾いているように見えることになります。

余談になりますが、私が出来上がったメガネのお渡し時の調整を担当した女性のお客様で、この調整時に顔の歪みに初めて気づいた方がいらっしゃいまして、ショックを受けている方がおりました。こういうケースも想定して細心の注意を払ってはいても避けられない場合もあり、いたたまれません。

度付きの場合、レンズが小さ目のデザインのフレームがいい

レンズ部がいたずらに大きいデザインのフレームを選びますと度付きの場合、仕上がりに大きく影響してしまいます。特に強度の近視、遠視の方は度数が強くなればなるほどそれが顕著になりますので、意識的にレンズ部が小さ目のデザインを選ぶ方がいいでしょう。

レンズへの影響

レンズが大きいデザインの場合、レンズにどのように影響するかといいますと、

1.レンズの厚みが目立つ

近視の場合、レンズの中央部分から外側にいくにつれてレンズが厚くなります。薄型のレンズを使用しても思ったほど仕上がりが良くないなんてことになってしまします。薄型高性能のレンズを購入する一番の動機がレンズの仕上がりの厚みを「薄くする」のを重視されることが多いですが、フレーム選びから仕上がりに影響することを考慮した方が良いでしょう。

2.レンズの重量が増す

レンズを大きく残しますと、その分重量が増します。その重量のほとんどを鼻のパッド部で受け止めるかたちになりますが、重いことで鼻にパッドの跡がついてしまったり、ズレ落ちやすくなったりとメガネの掛け心地に大きく影響します。

3.見え方の歪みが大きくなる

レンズは中央の焦点から外周にいくにつれレンズの特性上見え方の「歪み」が発生します。度数の強い方が使用するレンズほど見え方の歪みは出てしまいます。この「歪み」を通して見ると遠近感や距離感に狂いが生じ、決して見えやすいことはないです。レンズを小さく削ってしまうことで「視野が狭くなるのでは」と危惧される方も少なからずいますが、人が物を見る際には首を動かすことで見たい範囲を補うことができます。

この3点以外にも理由はあるのですが、大き目のレンズのフレームを選ばない方がよい主な点となります。

自分に似合うフレームを見つけるには

これまでに何度かメガネを購入している方なら洋服を選ぶように、それほど困らずに似合うフレームを見つけることができるかもしれませんが、そうでない場合、販売店の方や友人にアドバイスをもらいながら選んだほうがいいでしょう。

調整などの技術的な側面で販売員にアドバイスをもらう

ベタベタと付きまとわれるような感じで自分のペースでフレーム選びができないのを嫌がることもあるとは思いますが、自分の好みのフレームが自分の顔や頭のサイズに合っているか、レンズが入ってメガネとして仕上がった後に不都合がないかは経験のあるメガネ販売店の方に頼った方が確実でしょう。似合うフレームを選ぶのが上手な店員さんもたくさんいると思います。

友人や家族を連れ添って客観的に見てもらう

デザインの面では身近にいる知人に意見をもらうのもフレーム選びを失敗しないために有効です。見てもらう方の主観や好みも影響するでしょうが、はっきりと似合う、似合わないを言ってもらえれば良い判断材料になるかと思います。

自分の顔に合わせて調整できるフレームを選ぶ

メガネを心地よく掛けるためにフレームの調整で重要なところは、パッド、掛け幅、先セルの折り位置の3つです。必要に応じて鼻梁の形状に合わせてパッドの調整の自由度の高いもの、掛け幅の調整がし易いデザインのフレームを選ぶことで快適に使用できるようになるでしょう。自分の顔や頭のサイズに選んだフレームが合っているかは最終的には販売店の方に判断してもらうのがいいでしょう。

 - フレーム, 元メガネ屋が語る基礎知識

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