眼鏡を掛けたままサウナに入ってしまった|お風呂用メガネで解決
2014/11/17
裸眼視力が0.1以下の方にとっては日々のお風呂も悩ましい問題になります。勝手知ったる自宅の浴室ならまだしも、出先のお風呂ではメガネを外して入浴すると視界が得られず足元が見えずに移動しづらかったり、シャンプーやボディーソープの判別にも難儀してしまいます。
また、旅館やホテルではせっかくの露天風呂からの景色も楽しめないのは旅行の楽しみを1つ減らしてしまうことになります。
メガネやコンタクトの温泉やサウナでの使用は、メガネを痛めてしまう要因がいくつもありますのでメインで使用しているものの使用は避けた方が良いです。
近年はお風呂での使用のニーズに応えるように価格も手ごろな「お風呂用メガネ」も商品化されています。
耐熱性に優れた素材でできているのでサウナでの使用も可能です。
「お風呂用メガネ」のレンズはあらかじめ熱や湯気に強い素材で度数が入れられていますので、ご自身の目の状態に合わせた度数の選択方法を合わせて解説します。
まずは普段使用しているメガネでサウナを利用してしまった方のトラブル解決から紹介します。
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Q眼鏡を掛けたままサウナに入ってしまいました
先日、旅行に出かけた際の宿泊先で入浴時に眼鏡を掛けて併設されたサウナを利用した後から、型くずれしたのか少し掛けづらいように思います。
眼鏡店で直してもらえるでしょうか?費用はどのくらい掛かりますでしょうか?
A調整の範囲であれば費用は掛からず直せますが、熱によるレンズへのダメージも考えられますので販売店で点検を受けるようにしましょう。
解説
フレームの型くずれの原因ですが、サウナ内は高温でフレーム自体も熱せられるとフレームが変形しやすくなります。
使用者に合わせて調整・フィッティングする際も、修正と修正時に力を加える際のフレームへの負担を減らすためにヒーターで温めて作業します。
使用者に合わせた調整もフレームが加温されることで調整前の元の状態に戻ろうとすることで型くずれが起きます。
販売店で再度調整を受けることで修正が可能であれば無償で対応してくれるところが多いです。
高温下での使用はレンズへ深刻なダメージを与えてしまう
現在主流のプラスチックレンズは高温下の使用でで加熱されることでレンズ表面に施されたコーティングを痛めてしまいます。
初期の状態ではコーティングはひび割れたようになり、加温を繰り返すと波打ったような状態となり、見え方そのものにも影響します。
サウナももちろんですが、車の中での保管でも同様なことが起きてしまいます。
このような状態を「熱クラック」と言い、たった1回の車中放置でも発生します。(私も自身のメガネで車に数時間ほど置き忘れてクラックが入ってしまったことがあります。)
メガネは急激な温度差に弱いことを覚えておきましょう。
メガネをお風呂やサウナ使用しないほうが良い理由
冒頭でも書きましたが、入浴施設にはメガネの品質に悪影響を及ぼす要因がたくさんあります。
水分
フレームの素材によってはサビや腐食の原因となります。テンプルとモダンの隙間やリムとレンズの間に侵入した水分は簡単にはとれません。
ボディソープ・シャンプーなどの中性ではない洗剤類
お風呂で使用する洗剤類のほとんどが中性ではありませんので、これらの付着やメガネの洗浄には適しません。
温泉の泉質・成分
温泉の成分によってはメガネに悪影響を及ぼすものもあります。
お湯やサウナでの加熱
解説の方で書きましたがメガネが加熱されることで熱クラックや型くずれの原因となります。
サウナでの使用はメガネだけでなく人体にも危険
金属製のフレームは触れている箇所に低温やけどを負う可能性があります。
サウナでのコンタクトの使用も危険
一般的なサウナは「乾式サウナ」と呼ばれ室内は乾燥していますのでコンタクトが目に張り付いてしまったり、乾燥することでコンタクト自体が傷むことがあります。
お風呂用メガネはサウナでも使用可能
入浴時に視力を得る手段でベストな方法は、お風呂専用のメガネを用意することです。
使い古しのメガネがある方はそちらを使用するのもよいですが、現在はお風呂での使用を前提にした「お風呂用メガネ」が販売されています。
お風呂用メガネの特徴
一般のメガネにはないお風呂での使用に特化された特徴があります。
耐熱性に優れた素材でサウナでの使用が可能
ポリカーボネイドと呼ばれる素材でできていて耐熱温度が120度ほどありますのでサウナでの使用も可能です。
あらかじめ度数付きのレンズ
レンズ素材が上記のポリカーボネイドの為、あらかじめ度付きのレンズ付きで販売されています。ご自身の目の状態に合った度数の物を使用するようにしてください。
度数の選び方はこの後の項で解説します。
価格が安い
手頃な価格で販売されていますので、傷んでも買い換えもしやすいです。
その他にもサビの原因となる金属を使っておらず、レンズにはくもり止めが施されていたりと至れり尽くせりです。
お風呂メガネの度数の選び方
あらかじめ度付きで販売されているお風呂用メガネの度数の選び方を解説します。
絶対にしてはいけないこと
普段掛けているメガネの度数を超えたお風呂用メガネを使用するのは絶対にやめましょう。仮に使用しているメガネの度数が合わなくなっている場合でも必ず使用しているメガネよりも少ない度数の物を購入してください。
安易に強い度数を使用することは、その後のメガネで得られる視力に悪影響を及ぼしてしまいます。
1.使用しているメガネの度数を確認する
まずはご自身のメガネの度数を確認しましょう。使用度数は購入時に付属品として渡してくれる販売店が多いです。
付属品が手元にないなど確認ができない場合は、購入店に問い合わせるか、購入店じゃなくてもメガネを持参すればメガネから直接度数を調べることも出来ます。
2.度数の見方を知る
上の画像は度数の見本です。近視と弱度の乱視が処方されています。
遠近両用をお使いの方はこれ以外に手元を見るための「加入度数」が記載されていますが、「お風呂用メガネ」は現在遠近両用がありませんので加入度数は無視します。
(※お風呂用メガネの度数が目の状態と照らし合わせて少な目の度数になることで若干ですが手元の見える範囲も広がります。)
さらに乱視の度数と軸度もお風呂用メガネでは無視します。球面度数(S)の値を基準に購入度数を決定していきます
左右の度数に差があるならば符号は無視して数字の小さい方を基準にします。
画像の度数の見本の場合、右目の-3.75が基準となります。
3.基準の度数を超えないものを購入する
市販されているお風呂用メガネの度数は、-3.00、-4.00、-5.00、-6.00のものが一般的です。上記の見本の-3.75の方は-3.00の物を購入して使用しましょう。
レンズのくもり止めを別途用意する
お風呂用メガネにはレンズのくもり止めが施されていますが、数回の使用で効果が弱くなってきます。
くもり止めの効果が落ちてきたら市販されているレンズのくもり止めを使用してあげましょう。
くもり止めは普段使用しているメガネにも使えます。
食事や施設の出入り時にメガネが曇ることを軽減できますのでお風呂メガネに限らずおすすめです。
まとめ
- 浴場・サウナでの使用はメガネを痛めることになる
- 専用の「お風呂用メガネ」を使用するようにする
- 使用しているメガネの度数を超えないよう注意
- 防曇機能が低下したら市販のくもり止めを使用する
心身ともにリラックスできるお風呂や温泉が好きな方の助けになれば幸いです。
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