メガネと視力について

元メガネ販売店店長がメガネと視力についての疑問にお答えします

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老眼鏡の基礎知識

      2014/11/17

「老眼鏡」というメガネの存在自体はご存知の方も多いと思いますが、すでに使用している人でも正しい認識で使用していない方も意外と多いです。

「40代以降のメガネを全て老眼鏡と誤解」していたり、「遠視のメガネと混同」しているなどが主な例です。

このサイトでも老眼鏡に関する記事は今後も増えていきますが、老眼鏡がどういうものなのか整理して記しておきます。

すでに使用している方でも正しい老眼鏡の使い方を知りましょう。

老眼についてはこちらの記事で解説していますので合わせてお読みください。

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老眼鏡は近くを見るためのメガネ|遠くは見えなくなる

メガネは主に、近視や遠視の屈折異常を矯正して遠くを見る視力を得るための「遠用」と、近くを見るための「近用」の2種類の分けられます。

この「近用」のメガネが老眼鏡となります。

老眼鏡は手元など近くの物を見るのに必要なピント合わせがうまくいかない目の状態を補うためのメガネです。

老眼鏡のレンズの力によって近くの物にピントを合うようにしています。

ピントを合わせる距離はおおよそ30cmから40cmほどの距離となります。

老眼鏡を掛けたままの歩行は危険

老眼鏡を掛けた際は、この30~40cmのところにピントが合いますので、そこから離れれば離れるほどピントは合わなくなります。

遠くに関しては50cmより先の物が見えづらくなります。つまり老眼鏡を掛けた状態ですと遠くの物は見えなくなります。

使用者の目の状態によって近くを見るのに必要な度数は異なりますが、老眼鏡の度数によっては室内であっても老眼鏡を掛けたままの歩行や移動は危険を伴います。

これは遠くの見える範囲がせいぜい50cm程度になりますので、足元の距離でも見えづらくなってしまいます。

仮にある程度見えるような場合でもレンズの効果による「距離感の狂い」は出ますので、しっかりと掛け外しをするようにしましょう。

室内での使用で掛け外しがわずらわしい場合は、「中近両用」や「近々両用」などある程度の遠くの視界を確保できるタイプのレンズもありますのでメガネ販売店で相談してみましょう。

用途は限定的な老眼鏡

老眼鏡は近くの物しか見ることができないメガネなので常に掛けっぱなしにすることはできませんが、「遠近両用」などの近く「も」見えるメガネと比べて一番良好な近くを見るための視力が得られます。

特に近くの物を見る時は文字の判別など見え方の「正確さ」が求められますので読書や筆記、事務作業などには老眼鏡が一番適しています。

老眼鏡と拡大鏡は別の物

「近くの物を見えやすくする」という役割的には同じですが、老眼鏡と拡大鏡は似て非なるものです。

拡大鏡は見る対象を大きくする

拡大鏡は平たく言えば「虫メガネ」と同じです。レンズの効果で見たいものを大きく表示することができます。

拡大鏡は老眼の方でなくても、とても細かい作業をするような場合に使用します。

老眼鏡は対象物を大きくする効果はありません。

老眼鏡の度数が「+」の符号が付いた度数なら凸レンズの効果によって多少の拡大効果はありますが、基本的には拡大鏡のように倍の大きさになるようなことはありません。

(余談ですが、近視の度数が強い方の老眼鏡の度数はマイナスの符号を持った度数になります。)

拡大鏡と老眼鏡の併用

拡大鏡には「フレネルレンズ」と呼ばれるレンズを使用した薄い板状のものがあり、読書などの用途向けのものがあります。

電車での移動中に読書をされる方は、老眼鏡の掛け外しがわずらわしいようなら、しおり代わりにもなるフレネルレンズ製の拡大鏡を使用するのもおすすめです。

拡大鏡のデメリットとしては、拡大鏡の保持で片手がふさがってしまいますので、大き目の書籍などを片手で保持するのが難しい場合は老眼鏡を使用するなど使い分けが必要です。

まとめ

  • 老眼鏡は近くを見るための「近用」のメガネ
  • 老眼鏡は遠くが見えづらくなる
  • 室内等の移動であっても老眼鏡は外す必要がある
  • 拡大鏡と老眼鏡は似て非なるもの

「近用」のメガネは40代以降でほぼ全ての人がお世話になるメガネです。近くがみえづらいと感じたら最寄りのメガネ販売店へ相談に行きましょう。

 - 元メガネ屋が語る基礎知識, 老眼

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