メガネと視力について

元メガネ販売店店長がメガネと視力についての疑問にお答えします

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慣れないメガネ|原因と対処方法

      2014/11/17

仕上がったメガネが掛けづらく、慣れずに対処に困っている方に向けた対処方法の記事です。

慣れない、使いづらいメガネは、そのまま無理に慣らそうとはせずに原因に合った改善の上で使用するべきです。

慣れないメガネを購入店に持参して対応してもらうわけですが、販売店の対応に任せてもうまくいかない場合もあります。

慣れないメガネが出来上がってしまう背景と合わせて対処方法を紹介します。

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慣れない原因を知る

仕上がったばかりのメガネが使いずらい原因を知りましょう。本来職業としている販売店の方が対処してくれるべきものですが、実際のところきちんと対応できない販売員も少なからずいます。

慣れない原因を列記します。

  • 度数が強くて合わない
  • 度数が大きく上がった
  • レンズの種類・設計が変わった
  • 掛け具合の調整で対応できる差異(レンズの傾き具合・目までの距離など)

慣れないメガネはおおよそこの4つに原因があります。

度数が強くて合わない

一番多い理由に相当するでしょう。これは無理に慣らすのではなく、度数変更で対応するべき原因です。

度数が大きく上がった

先の「強くて合わない」と同じようですが、適切な視力を得る為の度数であっても、現在まで使用していたメガネと比べて大きく度数が足された場合に起きます。

この場合、見え方を犠牲にしてでも掛けられる程度まで度数を下げ、慣らした上で本来の適切な度数に作り直すのが一番理想的です。

レンズの種類・設計が変わった

一般的に見え方の歪みの少ないと説明されている非球面設計のレンズですが、球面レンズを長く使用していた人にとっては非球面設計との見え方の違いは「違和感」になる場合があります。

その他にもレンズの素材(ガラスとプラスチック)の変化や、敏感な方だと同等のレンズで作ってもメーカーが変わることで違和感を感じる方もいます。

掛け具合の調整で対応できる差異

型くずれしたままのメガネを直さずにそのまま使用していた場合や鼻のパッドがないセルフレームでレンズが顔側に近づいたことで起きる違和感です。

調整・フィッティングで改善できますが、セルフレームなど一部のフレームでは調整が難しいデザインの物もあります。

慣れないメガネの主原因となる度数測定の背景

仕上がったばかりのメガネの度数を変更をしないといけないような事が起きてしまうのには、度数の選定に誤った認識があり、これは測定者だけではなく、使用者にも原因がある場合もあります。

測定員の見え方重視の検眼

「見え方重視の検眼」これに尽きると言っても過言ではないでしょう。測定者には潜在的に「見えなければクレーム」という意識があります。

実際に「見えづらい」クレームは「慣れない・掛けづらい」より少ないです。

「見えづらい」クレームは使用している度数と同じ度数で作ったのにもかかわらず見えづらい場合や、併用しているコンタクトレンズとの見え方の差異などでありますが、「慣れない」クレームの方が圧倒的に多い傾向があります。

メガネを作る場合、「見える」ことはもちろんですが、「使いやすい」のも当たり前でなくてはなりません。

どんなに良く見えたとしても掛けづらいと当然使用に耐えないからです。

測定員の検査技術の問題

度数の選定は手順を踏んで測定し、視力が得られてれば良しとする測定員も多いのが実情です。

矯正後、掛けづらくないか、掛けやすく修正できる測定員は思ってるよりも少ない印象です。

実際に私が勤めていた会社でも技術不足と言わざるをえないスタッフもいたのが事実です。

余談ですが、私も入社当時は測定の手順を習った程度で実際に視力測定をしていました。その時点では指導者の指導力不足と私の技術不足である事実は認めなければなりません。

そこから失敗しながら経験を積んできたわけですが、手順を踏んで、その手順が多くなるほど度数が入り過ぎる傾向があることに気づきました。

もちろん簡略化が目的ではないですが、なるべく手順を簡略化する測定をしないと掛けやすいメガネにはならないと自負しています。

ちなみに簡略化したからといって時間の短縮にはなりません。使用者の目の状態によっては了解を得て時間を掛けて測定しないといけない場合もあります。

使用者の度数に対する意識

あなたはメガネを作る際の視力測定・度数選定に関して要望として伝えることはありますか?良くある要望を2つ上げますと、

  • 視力を(例えば)1.0に合わせてほしい
  • そんなに強くしなくていいです

視力を1.0や1.2などに合わせてほしい要望はするべきではない

この「いくつに合わせる」という考え方は、度数に対する認識において大きな誤りと言わざるをえません。

本来、メガネに用いる度数は、使用者の目の屈折異常を矯正するためのもので、矯正した時に得られる視力には個人差があります。

極端な例ですと、視機能の弱いロービジョンの方は、メガネやコンタクトを使用しても視力が0.3以下しか得られない方もいらっしゃいます。

現実的な話では、適正な度数の処方で0.8から0.9程度の視力しか得られない若干視力の出にくい方は多いです。

一般的な方で得られる視力の目安は両眼で1.0程度が目安です。1.0程度の視力が得られていれば、メガネを使用する上でも実際の生活で極端に支障が出ることも無いでしょう。

度数は多く入れたらそれだけ視力が出るというものではありません。どちらかというとピント合わせの方が言葉のニュアンスとしては正しいものです。ピントが合う範囲を超えて度数を入れても視力が得られないばかりか、掛けづらくなるだけです。

また、測定員が「視力はいくつに合わせますか?」などと問診をしてくる場合、その測定員は技術的にも経験値的にも未熟な場合が多いでしょう。

「そんなに強くしなくていいです」

強くしないでと伝える方は過去に慣れないメガネで悩んだ経験があるのでしょう。

しかしそれを伝えただけでは慣れないメガネにならないとは言いきれませんので、今後は掛けやすいメガネが作れるようにする方法を知りましょう。

仕上がったメガネが掛けづらい場合の対処方法

不運にも仕上がったメガネが掛けづらい場合、購入した販売店で真摯に対応してもらいましょう。

原因の追究をする

掛けづらい、慣れないメガネには必ず原因があります。原因を取り除かない限り、使いやすいメガネになることはありません。

販売店でどのような違和感があるのかはっきりと伝えましょう。販売店にはその申告に基づいて改善するべき対応をしてもらいましょう。

すぐにでも確認できるところでは、見え方の確認も含めた再測定と、フィッティングで改善できる場合もあるメガネの調整です。

「とりあえず様子をみて慣らしてみてください。」と具体的な対応をしてくれないのは論外です。再測定や調整を申し出るようにしましょう。

無理に慣らす必要はない

度数に問題がある場合は無理に慣らす必要はないです。靴に例えるなら、25cmの足のサイズに24cmや26cmの靴を履いて慣らそうとするような行為です。

仮に履きなれて歩けたとしても靴のサイズが合っていないことには変わらないからです。

慣れないメガネを作らないためには

見え方重視から掛け心地を重視した使いやすさにメガネの価値観を変えていきましょう。

見え方より掛けやすさを

掛けづらいことが無い範囲の度数で最良の視力を目指すようにしましょう。

これは掛けやすいから見づらくてもしょうがないという意味ではありません。

「長い時間かけると疲れるけど遠くは良く見える。」とか「手元はちょっとつらいけど車の運転にはこれくらい見えないと。」といった掛けづらいのにも関わらず誤った価値観でメガネを使用することはしないようにするということです。

掛けやすさの基準

見え方の目安は先にも書きましたが、視力は両眼で1.0程度を目安とするべきです。弱度の近視の方ですと適切な度数でもそれ以上見える場合もありますが、1.2が見える時点で過矯正気味であると思うべきです。

1.0を目安にと書きましたが、全ての方が必ず1.0見えるとも限りません。1.0見えるかどうかはあくまでも確認のしやすい目安でしかないのを忘れないようにしましょう。

掛けやすいメガネにする上で大切なのは目の状態に合わせて適切なメガネの度数を選択してあげることです。

目が持っている屈折異常の度合いを超えて度数を入れ過ぎないようにしてもらいましょう。

適切な度数の処方であれば、1.0程度の視力が得られた上で手元の距離でも負担なく見ることができるはずです。

万が一見えづらかったり負担を感じるようであれば、度数が入り過ぎているか、40代以降は老眼の症状である可能性があります。

検査時は測定した度数で必ず歩いて装用感を確認する

度数がある程度決まったら必ず立ち上がって歩いて実際の景色を見ながら掛け心地を確認してください。

座ったままの状態ですと違和感に気づきづらい場合があります。

気を付けて歩きながら見え方と装用感を確認するようにしましょう。確認するポイントは、

  • 足元の見え方に違和感がないか
  • 遠くの物を見て遠近感の狂いはないか
  • 単純に掛けづらくないか
  • 使用しているメガネやコンタクトとの見え方の差はどうか

良く見えて違和感を特に感じなければ問題はありません。違和感が有るなら測定者に必ずその旨伝えましょう。

検査時点の違和感ははっきりと伝える

どのくらい視力が得られているか見え方は視力表で客観的に確認できますが、その時の度数で違和感や強く感じるのかといった感覚的なものは測定員は厳密には分かりません。

使用感はケガの痛みや病気の苦痛と同じように、測定員に推測はできても使用者にしかわからないことです。

テスト用のレンズの見え方に違和感が有る場合、仕上がったメガネにも必ず違和感が出ます。違和感が有る場合、遠慮せずにはっきりと伝えて対処してもらいましょう。

伝えないことには対処することも出来ないからです。

測定が販売店の場合、販売店は仕上がり後のクレームを嫌います。度数を直すなら一度用意したレンズはロスになりますので対応が鈍くなりますが、測定時に違和感が有るのが分かった場合は、その場でテストレンズにていくらでも対応できるからです。

どんなに手間や時間がかかるようでも納得するまで対応してもらうことでメガネの仕上がり時に困ることは少なくなります。

度数の変更の度合いを確認する

今まで使っていたメガネの度数が分かる場合、どのくらい度数が変わったのか確認しましょう。

使用していたメガネの度数は持参すれば直接メガネから調べることができます。以前利用した販売店ならば履歴も残してあるはずです。

近視の場合、度数にして3段階上がるようなら、適切な度数であっても多少負担に感じる方も多くなります。

遠視の方は使用している度数から2段以上の度数が入ると目が対応できずに見え方の印象がボヤけるような方もいます。

乱視の度数は増えた分だけ違和感となりやすいので、見え方に納得できる範囲であれば少しでも足さないような工夫をした方が掛けづらくなくなります。

メガネの作り直す時期を逃してしまって大きく度数が変わる場合、見え方を犠牲にしないと掛けられないくらいの度数が適正な度数となってしまうこともあります。

無理に我慢せず、見えづらさを感じた時点で視力測定を受けるなどして対応するよう心がけましょう。

レンズの作成データを管理する

メガネを作り直す際は、使っているメガネを可能な限り持参するようにするのと、レンズの種類や素材などがいたずらに代わってしまわないようにご自身でメガネの作成データを管理するのをおすすめします。

別記事で自己管理を推奨する記事がありますのでよろしければ合わせてご覧ください。

まとめ

大変長い記事になりましたので要点をまとめます。

  • 慣れないメガネの一番の原因は度数に問題がある
  • 慣れないメガネができる背景には見え方重視の検査
  • 度数選定時の違和感は必ず伝えて対応してもらう
  • テストレンズで感じる違和感は仕上がったメガネにも確実にある
  • メガネの作成データを自己管理するのを推奨

使いづらいメガネが出来上がってしまうことは、使用者にも販売店にも何のメリットも生み出しません。

使用者側で出来ることはしっかりと行い、使いやすいメガネが出来上がることを願っています。

 - トラブル解決, 度数測定, 悩み, 近視

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